
ひとつのイヤホンを分け合う帰り道。近づきそうで近づけない、放課後の初恋を描いた一曲です。
青色音の新曲「片耳ぶんの帰り道」を公開しました。雨上がりの駅前で見つけた古い歌を、白い有線イヤホンの左右に分けて聴きながら歩くふたり。肩が触れそうになるたびに言葉より先に鼓動が騒ぎ、いつもの分かれ道が今日は少しだけ遠く感じられます。
アコースティックギターを中心に、やわらかなベース、控えめなドラム、会話のように寄り添うピアノを重ねました。自然な息づかいが残る女性ボーカルと穏やかなコーラスが、一曲ぶんだけ共有した時間を丁寧に映します。派手な告白ではなく、「また貸して」という小さな約束が次の日へつながっていく物語です。
サビでは、半分ずつ聴いている音がふたりの中でひとつになる感覚を、広がるアコースティックバンドで表現しました。曲が終わってもイヤホンを外せない沈黙や、歩幅を合わせるうちにいつもの角を通り過ぎてしまう場面も、初恋ならではのささやかな高揚として描いています。何度も聴くほど、細かな音の表情が見えてきます。
ジャケットには、雨上がりの石塀と白い有線イヤホンを据えました。夕方の光と小さな水滴が、言葉になる前の気持ちを静かに映します。人物を描かず、聴く人それぞれの帰り道を重ねられる一枚です。
同じ歌を聴いているだけなのに、昨日までとは違う距離に気づく。そんな放課後の瞬間を、あたたかく少し照れくさい音にしました。帰り道の景色と一緒に、ふたりの間に流れる半分ずつのメロディをお楽しみください。